軽井沢 武田そば

<軽井沢 蕎麦屋の憂鬱>

食べ歩き ,

かぎもとや。ささくら。川上庵。きりさと。しげの屋。東間。志な乃。きこり。ほのか。追分そば茶屋。ひょうろく。武田そば風林茶屋。本陣。満留井。源水。みすずや。馬越。
霧下そば 地粉や(御代田)。旧軽井沢ゴルフ倶楽部レストラン。農協直売所の脇の名のないそば屋。軽井沢駅荻野家の立ち食いそば。
軽井沢、追分では数多くの蕎麦屋に出かけた。
これでもまだ行けていない蕎麦屋が数軒ある。
皆そば好きなのだ。
しかし大型の軽井沢の蕎麦屋に、東京のそば通がいくと、暴動が起きる。
まず値段が高い。
二八どころか三七くらいの割合で、どこの蕎麦粉か判らぬやつを混ぜ、量は少なくないが、ねりワサビと甘ったるい辛汁(つけ汁)、蕎麦の香りがしない蕎麦湯を堂々と出してくる。
ただしどこも、量はしっかりとあるのがまあ許せるところか。
今まで一番良かったのは、もうなくなってしまったが、南原入り口にある市村記念館に夏期だけ常設された蕎麦屋だった。
それ以外で東京で蕎麦を食べている人で、まあ許せるのは、東間くらいか。
もちろん、荻野家の立ち食いそばもいい。
つまりその間を埋める蕎麦屋ばかりなのである。
中途半端感が否めない。
だから僕は、どうしても「かぎもと屋」に出向いてしまう。
もり850円。ざる900円。
そばの質、ねりワサビと甘ったるい辛汁は、他店と似ているが、細かい点が優れている。
突き出しにでるお新香はたっぷりと盛られ、野沢菜か夏のキャベツと胡瓜、紫蘇の浅漬けを食べながら蕎麦を待つのが、たまらない。
蕎麦はネチネチとした小麦粉含有率が高いもので、時々短いものも混ざっているところから、水回しがうまくいってないと思われる。
でもそれがいい。
その不均一の感じがいい。
そして平打ちのそばがつるると、唇を通り過ぎる時の感覚がたまらない。
またつゆは、甘ったるいが、大根おろしで引き締めるからいいのである。
この大根おろしと葱、溶きわさびのセットは、おかわり自由である。
僕はいつも一回お代わりをしてつゆを引き締める。
そしてなによりもこのそばが好きな理由は、3歳ごろから毎夏食べているからである。
写真1枚目は、武田そば